函館|行政書士小川裕史事務所

遺産分割協議

遺産分割協議とは

遺産の分け方を決める話し合い

遺産分割協議

遺産分割協議とは、遺言書等によって決められていない場合に、どの財産を誰が相続するかを決める話し合いのことです。

参加する人は、下記の全員です。

ただし、「特定受遺者」「相続放棄した者」「廃除者」「欠格者」は参加する権利がありません。

参加者全員で合意しなければ成立せず、一人でも相続人等を欠いた状態で行った遺産分割協議は無効になります。
 協議するといっても、全員が同じ場所に集まる必要はなく、電話や手紙でも可能です。

遺産分割協議をしないと

全員による共有状態が続く

遺産分割協議が成立するまでの間、相続財産は、相続発生時から相続人全員の共有という状態が続きます。
 共有状態では、一部の相続人が勝手に相続財産を処分したり消費することができません。
 具体的には、

・銀行等の預貯金の解約や名義変更
・土地、建物、株式、自動車の名義変更

などを行うには、その都度、共同相続人全員が署名押印した同意書や印鑑証明が必要になり、手続きが大変煩雑になります。

長期化によって起こる問題

遺産分割協議が未了のまま長期化すると、それぞれ欲が出てきて紛争になったり、面倒くさくなって余計に進まなくなることがあります。

また、相続人のうちの誰かが亡くなって、新たな相続が発生する可能性もあります。

二次相続

二次的な相続が発生すると、亡くなった相続人の家族が相続人の地位を引き継ぐので、相続人が増えたり、縁が遠いために関心が薄れたりして、さらに遺産分割協議が困難になることが多い物です。

面倒がらず、できるだけ早い時期に協議を行った方が良いでしょう。

相続税の問題

相続税が課税される場合はさらに注意が必要です。
 遺産分割協議が未了のまま申告期限(相続発生日の翌日から10か月以内)を迎えてしまうと、「小規模宅地の評価減」「配偶者の税額軽減」の特例が適用できず、原則通りの納税を迫られることになります。

一旦、原則通り納税し、申告期限後3年以内に遺産分割を確定できたら、納税額の過不足を修正・更正申告できますが、3年を経過するとこれも適用できなくなります。

遺産分割協議書の作成

しっかり書面に残す

遺産分割協議が成立したら遺産分割協議書を作成しましょう。
 協議書を作成することは法律で定められているわけではありませんが、後々「言った」「言わない」等の紛議を防止するために作成することが望ましいといえます。

遺産分割協議書

また、銀行の預金を引き出したり、不動産・自動車等の名義変更を申請する際の添付書類として使用します。手続きの度に全員が署名押印して印鑑証明等を添付していては大変ですから、遺産分割協議書を作成していると手続きがスムーズになります。

遺産分割協議書には特に決まった様式はなく、どの財産が誰のものになったか分かるように記載し、相続人全員が署名し実印で押印します。

相続人の一部が遠隔地に居住している場合、1枚の遺産分割協議書を郵送して相続人全員が署名押印するとなると、途中で汚損したり紛失する可能性があります。
 このような場合には、「遺産分割協議証明書」を作成します。
 遺産分割協議証明書は、まったく同じ内容のものを相続人の人数分用意し、それぞれに署名押印を行うもので、全員分がそろったら遺産分割協議書と同じ効力を持つものになります。

いずれの場合も、各種手続きで証明として使用する時には相続人全員の印鑑証明を添付しますので、印鑑登録されていない方がいたら市町村役場で印鑑登録をしましょう。

これも知っておきたい

遺言書に書かれていない財産は?

遺言書に記載のない遺産がある場合は、別途、記載されていない遺産の分割協議が必要です。

遺言書ですべての遺産について分割方法が指定されている場合、遺産分割協議は必要ありません。
 相続の手続きは、遺言書(自筆の場合は家庭裁判所の検認を受けてから)と戸籍謄本等を添付して行います。

遺産分割協議のやり直しはできる?

再び全員が合意すれば、遺産分割協議のやり直しはできます。
 ただし、一度遺産分割協議が成立していますので、その後の財産の受け渡しには贈与税が課税されます。
 正当な理由があるのに一部の相続人がやり直しに応じてくれない場合、訴訟で遺産分割協議の無効確認を求めることもできますが、主張が認められるかどうかは個々の事情によります。

話がまとまらないときは

日頃から良好な関係を!

お互いの主張が食い違い、話し合いがまとまらないこともあります。
それぞれの価値観や事情があるため、全員が納得することは難しいのかもしれません。
 核家族化や人間関係の希薄化などが問題となっている現代では、なおさら、このような事が多いのではないでしょうか。
 普段から、遠方に住む疎遠になっている親族と連絡を取りあうようにしましょう。

家庭裁判所を頼る

当事者同士の話し合いでは解決できない場合、家庭裁判所に遺産分割調停を申立てるという方法もあります。
 (寄与分の認定や遺留分減殺請求についても同様です)

調停とは、裁判所の家事審判官等を交えて話し合いをする場のことで、これでも話がまとまらない場合は審判により裁判所に分割方法を決めてもらい、それに従うことになります。
 不満があるからといってむやみに調停を申立てると、余計に関係が悪化する場合もありますから、よく話し合った上で検討しましょう。

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